コレステロールが気になるときも、特定の飲み物だけでLDLコレステロールが下がるとは言えません。まず取り組みやすいのは、日常の水分補給を水や無糖のお茶にし、加糖飲料、乳脂肪の多い飲み物、アルコールの量を確認することです。
飲み物は食事の一部です。飲み物を変えるだけで治療の代わりにしたり、食事全体のバランスを無視したりしないことが大切です。
迷ったときの選び方
| 飲み物 | 確認すること | 取り入れ方 |
|---|---|---|
| 水・無糖炭酸水 | 糖類を加えていないか | 日常の水分補給の基本にする |
| 麦茶・無糖のお茶 | 加糖、カフェインの有無 | 甘い飲み物からの置き換えに使う |
| コーヒー | 砂糖、クリーム、抽出方法、カフェイン | 無糖を基本にし、ペーパーフィルターかも確認する |
| 牛乳・乳飲料 | 脂質、飽和脂肪酸、加糖 | 量と食事全体を見て、必要なら低脂肪・無糖も選ぶ |
| 豆乳・オーツ飲料 | 無調整か、加糖か、原材料と栄養成分 | 商品差が大きいため「植物性」だけで判断しない |
最初に減らしたいのは「液体の糖類」
ジュース、加糖コーヒー、フラッペ、スポーツドリンク、エナジードリンクなどは、飲む量によって糖類の摂取が増えやすくなります。毎日飲んでいる場合は、いきなりすべて変えるのではなく、まず1本を水や無糖茶へ置き換えます。
「野菜」「乳酸菌」「ビタミン」などの表示があっても、無糖とは限りません。栄養成分表示の炭水化物・糖類と、1本当たりの容量を確認してください。日本動脈硬化学会も、糖質を多く含む飲料や果糖含有加工食品の過剰摂取に注意するよう案内しています(日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?」)。
緑茶やコーヒーは「薬」ではない
緑茶と血中脂質に関するランダム化比較試験のメタ解析には、小さな平均変化を報告したものがある一方、4〜24週間の茶飲料では明確な低下を確認できなかった解析もあります。研究で使われた量や製品、対象者、期間は同じではありません(XuらのRCTメタ解析、Igho-OsagieらのRCTメタ解析)。
そのため、「緑茶が1位」「1日何杯で下がる」といった順位や固定量にはできません。緑茶を選ぶ場合も、甘い飲み物の代わりになる無糖飲料という位置づけが基本です。
コーヒーは砂糖やクリームの追加だけでなく、抽出方法も確認します。食品とLDLに関するレビューでは、紙でこさないコーヒーによるLDL上昇が報告されています(Schoeneck & Iggman, 2021)。詳しくはコーヒーとコレステロールの関係をご覧ください。
豆乳・オーツ飲料・乳飲料の見方
豆乳
大豆食品は食事全体のたんぱく質源の一つですが、豆乳を飲めばLDLが必ず下がるわけではありません。無調整・調製・飲料タイプで糖類や原材料が異なります。選び方は豆乳とコレステロールの関係でも解説しています。
オーツ飲料
オーツ由来でも、研究で扱われた量のオーツβグルカンをすべての商品が含むわけではありません。RCTメタ解析での摂取量中央値は1日3.5gでしたが、この数値を市販のオーツ飲料一般へ転用することはできません(HoらのRCTメタ解析)。含有量の表示がない商品を、オートミールと同じ効果として扱わないようにします。オーツそのものの食べ方はオートミールを取り入れるときの注意点をご覧ください。
牛乳・乳飲料
牛乳や乳飲料は、脂質量や加糖の有無が商品によって異なります。日本動脈硬化学会は、食事全体で飽和脂肪酸を過剰に摂取しないことを勧めています(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版)。ほかの乳製品や肉類を含めて飽和脂肪酸が多くなっている場合は、量を見直すか、低脂肪・無脂肪、無糖の商品も比較します。
アルコールは種類より総量を見る
ワインや一部の酒類を「血管によい飲み物」として追加する必要はありません。日本動脈硬化学会は、中性脂肪が高い場合の食事のポイントとして、アルコール摂取を控えるよう案内しています(日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?」)。飲まない人がコレステロール対策として始める選択肢にはしません。
飲酒している場合は、糖質表示だけでなくアルコール量と頻度を確認します。中性脂肪も高い方は、中性脂肪が高いときの食事の見直し方も参考にしてください。
カフェインと妊娠中の注意
カフェインの影響には個人差があります。コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、エナジードリンク、眠気防止用の製品など、1日の合計で考えます。
食品安全委員会は、妊娠中の目安として海外機関の複数の基準を紹介しています(食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」)。厚生労働省も、海外機関の情報として妊婦・授乳中・妊娠を予定している女性への目安を紹介しています(厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」)。飲料の濃さや容量が異なり、情報源によって目安も異なるため、「何杯まで」という固定杯数や単一の普遍的上限として扱わず、1日の合計量を確認してください。ノンカフェインという表示だけで、すべての人への安全性や脂質への効果が保証されるわけでもありません。
食事全体と一緒に振り返る
飲み物だけでなく、主食、主菜、副菜、間食まで含めて振り返ると、次に変えるものを選びやすくなります。食事写真から脂質・食物繊維など5項目と、次の一食のヒントを確認できます。
よくある質問
水をたくさん飲めばコレステロールは下がりますか?
水分不足を避けることは大切ですが、水そのものがLDLを下げるとは言えません。水は加糖飲料の代わりとなる、日常の水分補給として考えます。心臓や腎臓の病気などで水分量を指示されている方は、その指示を優先してください。
トクホの飲み物なら薬の代わりになりますか?
なりません。消費者庁は、保健機能食品は医薬品とは異なり、疾病の治療や予防のために摂取するものではないと案内しています(消費者庁「保健機能食品について」)。表示された対象者、摂取方法、注意事項を確認し、治療中の方は医師・薬剤師へ相談してください。
無糖なら何を何杯飲んでもよいですか?
カフェイン、アルコール、薬との相互作用、持病による水分制限など、糖類以外の確認点があります。無糖という一点だけで摂取量を決めないようにしてください。
まとめ
- 日常の水分補給は水や無糖茶を基本にする
- 加糖飲料は栄養成分表示と1本当たりの容量を確認する
- 緑茶などの研究結果を、順位や固定杯数へ一般化しない
- 豆乳・オーツ飲料・乳飲料は商品ごとの差を見る
- 飲み物だけに頼らず、食事全体と治療方針を優先する
📅 最終更新: 2026年7月 | 記事の内容は定期的に見直しています




